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芦ノ湖の形成

芦ノ湖は箱根火山のカルデラ(※1)内に形成されたカルデラ湖(※2)であると同時に、約3,000年前に神山が噴火した際に生じた山体崩壊(※3)の堆積物により面積を拡大した、堰止湖(※4)でもあります。芦ノ湖の水は、もともとは早川の水源となっていましたが、現在は、江戸時代に完成した箱根用水を経由して静岡県側に流出しています。早川への流出は芦ノ湖の最下流部(早川の最上流部)にあたる逆川口に造られた湖尻水門により制御されており、大雨時などを除くと、 芦ノ湖の水が早川に流出することはありません。


図中赤線が神山の山体崩壊によりせき止められた場所
(出典:国土地理院 火山土地条件図「箱根山」に加筆)

(※1)カルデラ:火山にある火口(直径数十~百m)より大きな凹地形の総称。スペイン語で鍋のことだが、通常の鍋ではなく魔法使いや魔女が使うような熱いスープ料理をつくる大型鍋を指す。
(※2)カルデラ湖:カルデラ内に水が溜まってできた湖のこと。
(※3)山体崩壊:噴火など様々な要因で火山が大きく崩れること。
(※4)堰止湖:何らかの原因で崩れた土砂が川を堰止めることによってできた湖のこと。

芦ノ湖の魚たち

芦ノ湖には現在ワカサギやオオクチバスなど様々な魚種が生息していますが、明治以降に国内外から移入されたものが多くあります。北米原産のオオクチバスは日本で最初に芦ノ湖へ放流されました。北海道原産でベニザケの陸封型(※5)のヒメマスは、明治42年に十和田湖から移植されたのが最初で、生息の南限と言われています。一方で芦ノ湖にもとから住んでいたウグイは、学名に「ハコネ(トリボロドン・ハコネンシス)」が入っており、芦ノ湖産の標本に基づいて名づけられた学術的に重要な意味をもつ魚です。


ヒメマス

ウグイ(学名:トリボロドン・ハコネンシス)

(※5)陸封型:生活場所の一部または全てが海にある水生動物が、川や湖にとどまって世代交代している状態をいう。