南郷山

湯河原の北部に位置する南郷山は標高611mとハイキングに最適の高さであり、山頂からは初島を始めとした伊豆諸島や真鶴半島、青々とした海に光が反射して美しい相模湾を見下ろすことができます。
山の中腹にはみかん畑が広がり、10月上旬から12月下旬には鮮やかな色の果実を実らせます。
5月末から6月上旬にかけては星ヶ山公園さつきの郷でイベントが開催され、南郷山山頂からもさながらピンクの絨毯のような光景を楽しむことができると大人気です。
50,000株ものさつきが咲き誇るさつきの郷を含む南郷山ハイキングコースもあり、初夏には大勢の観光客が訪れます。


画像1 南郷山山頂からのパノラマ

成り立ちと地質

箱根火山は外輪山ができた後、その中心部が大噴火を起こしてカルデラがつくられました(約23~13万年前)。同時に外輪山の裾野では北西から南東方向に火山活動が活発となり、たくさんの火口から溶岩が流れ出ました。南郷山はこの時の火山活動により、約15万年前に形成されたと考えられています。隣の幕山や真鶴半島もほぼ同じ時期に形成されました。
また、南郷山を構成している溶岩は、本小松溶岩類グループのデイサイトです。


画像2 箱根火山の成り立ち画像

自鑑水

源頼朝にゆかりのある湯河原には様々な頼朝伝説が残っています。南郷山山頂から北西に徒歩で約15分の距離にある自鑑水もその一つです。
石橋山の合戦に敗れた頼朝は山の中を敗走してこの池にたどり着き、その際に池に映る自分のやつれた顔を見て自害を決心しましたが、湯河原の豪族・土肥実平になんとか諌められて思いとどまったという伝説が残っています。
歴史を感じながら散策するのにふさわしい場所です。


画像3 自鑑水


画像4 ジオサイト地図