「伊豆半島衝突の証拠」蛤沢周辺 Around Hamaguri-zawa Valley
地蔵堂地区は、かつて本州と伊豆地塊に挟まれた、海の底に溜まった泥や砂や礫でできた層(足柄層群)と、その上を覆う箱根火山の溶岩や火山灰の層から成り立っています。
金太郎伝説が残るここ地蔵堂地区では、「蛤沢」という地名の由来となった海成層の痕跡(貝化石)や、断層によってできた滝を観察することが出来ます。
金太郎が夕日の滝から投げて遊んだと伝わる大岩
金太郎遊び石(きんたろうあそびいし)
大岩を観察すると、大小さまざまな石や火山灰が押し固められていることが分かります(凝灰岩)。夕日の滝から更に上流の金時山にかけ、同じ箱根火山起源の凝灰岩が観察できます。
上流で剥がれたブロックが土石流か何かによって運ばれ、取り残されたと考えられています。
蛤沢周辺の成り立ち&散策ポイント
海底の時代 約200~100万年前
Mi4 蛤沢周辺(はまぐりさわしゅうん)
蛤沢周辺からはハマグリなどの貝化石が多く見つかっています。このことから当時は浅い海だったことがわかります。
現在では南足柄市郷土資料館に化石標本が展示されています。衝突・隆起の時代 約100~70万年前
足柄層群の垂直露頭(あしがらそうぐんのすいちょくろとう)
貝化石が産出した同時代の足柄層群が観察できる露頭。
かつて水平に堆積した地層がほぼ垂直になっていることから、プレートの圧力の凄まじさがわかります。噴火・浸食の時代 約40万年前~現在
Mi3 夕日の滝(ゆうひのたき)
このころ箱根火山が活動を開始し、足柄層群の上を溶岩や火山灰の層が覆いました。その後、断層の活動により夕日の滝ができました。
この先の夕日の滝にも解説板があります。
記号
箱根火山とその周辺の地質を楽しもう
箱根火山とその周辺の地形を楽しもう
地形や地質を活用して育まれた歴史を考えよう