眺望と伝説の山 金時山

金時山 ( きんときやま ) は、カルデラの外側を囲む山々(外輪山)のひとつで35~27万年前に活動した 玄武岩質 ( げんぶがんしつ ) 成層火山 ( せいそうかざん ) です。
①の図解を見るとカルデラ形成前と現在では山体が大きく異なることがわかります。これはカルデラ形成時に南側が 崩壊 ( ほうかい ) しているためで、火山の中心にある 火道 (かどう )  は崩れた南側にあったと考えられています。また、カルデラ形成後も侵食は進み、現在の姿となっています。この崩壊や侵食によって成層火山の断面が露出している「 露頭 ( ろとう ) 」が各所に存在しています。ぜひ観察してみてください。
また、山頂からの眺望はすばらしく、カルデラ地形や 後期中央火口丘 ( こうきちゅうおうかこうきゅう ) 、富士火山などがよく観察でき、南足柄エリアのジオサイト「夕日の滝」に通ずる下山ルートもあります。

県道731号(矢倉沢仙石原)で発見された富士黒土層

富士山周辺に広く分布する富士黒土層は、およそ8000年前~5600年前に形成された有機質な粘土層です。この地層は、上下の地層に比べて富士山の噴出物に乏しく、富士山の爆発的な噴火活動が弱まった時期の存在を示すと考えられています。

金太郎伝説

足柄地域の各地には金太郎伝説が残っており、江戸時代の頃から金時山が金太郎伝説と結び付けられて語られるようになります。山中には、金太郎が 山姥 ( やまんば ) と暮らしたという「 宿 ( やど ) ( いし ) 」や、金太郎の怪力ぶりを物語る「 手鞠石 ( てまりいし ) 」「 蹴落 ( けお ) とし ( いし ) 」など火山由来の巨石が点在しています。

 

金時山でみられる植物