長尾峠
ここは、箱根火山の外輪山の断面の様子を観察することができる数少ない場所で、 通称「長尾峠の露頭※」と呼ばれています。 ※露頭…地層を観察できる場所
箱根火山の外輪山は、このように溶岩や火山砕屑物がいくつもの層となって積み重なって山をつくっています。この露頭の地層は、外輪山の一部である仙石火山の噴火活動で堆積したものです。
箱根火山は、中央火口丘とそれを取り囲む外輪山がつくるカルデラ地形になっていますが、このカルデラがつくられた時期にカルデラ壁で活動したのが仙石火山です。
箱根火山の初期の姿は、富士山型の成層火山であったと考えられ、この露頭の地層もカルデラが作られた時期に陥没して落ち込み向きが変わったとされていましたが、後の研究によりこの露頭の溶岩の向きは変わっていないことがわかりました。
つまり元々カルデラの内側に向かって溶岩が流れたことを意味しており、箱根は富士山のような形の山ではなく、仙石火山のようないくつもの火山が活動をしていたと考えられるようになりました。